旅行会社で働いていた際、同じ路線・同じ時期なのに「安く買えた人」と「損して買った人」がはっきり分かれる瞬間を何度も見てきました。
その差は、知識よりも「いつ・どこで・どう買うか」というちょっとしたコツを知っているかどうかです。
さらに2026年はANA・JALともに国内線の運賃体系が大きく整理され、「運賃タイプの選び方」そのものが節約の分かれ目になっています。この記事では、最新の運賃事情を踏まえつつ、国内航空券を安く手に入れるための具体的な方法を10個、詳しくご紹介します。
運賃タイプを正しく選ぶ|ANA・JALの3区分を使い分ける
ANAの3運賃タイプ「シンプル」「スタンダード」「フレックス」
ANAは国内線と国際線の予約システムを統合したのに合わせて、
運賃を安い順に「シンプル」「スタンダード」「フレックス」の3種類変わりました。
| 項目 | シンプル | スタンダード | フレックス |
| 価格帯 | 最も安い | 中間 | 最も高い |
| 事前座席指定 | 出発24時間前から可 | 無料で可 | 無料で可 |
| 無料受託手荷物 | 23kg×1個 | 23kg×2個 | 23kg×2個 |
旅程が完全に固まっている旅行であれば、変更・払い戻しの自由度を捨てる代わりに「シンプル」を選ぶことで、最も安く航空券を確保できます。
逆に、出張などで予定変更の可能性がある場合に「シンプル」を選んでしまうと、変更できずに買い直しになり、かえって高くつくことがあるので注意が必要です。
ANA新運賃について詳しく解説している記事はこちら!合わせてご覧ください
JALの3運賃タイプ「スペシャルセイバー」「セイバー」「フレックス」
JALも同様に、運賃を「スペシャルセイバー」「セイバー」「フレックス」の3タイプがあります。
| 項目 | スペシャルセイバー | セイバー | フレックス |
| 価格 | 最も安い | 中間 | 最も高い |
| 事前座席指定 | 無料で可 | 無料で可 | 無料で可 |
| 無料受託手荷物 | 合計20kgまで (個数制限なし) | 合計20kgまで (個数制限なし) | 合計20kgまで (個数制限なし) |
JALの最大のポイントは、「スペシャルセイバー」は予約が早いほど安くなる仕組みが今も生きているということです。
旅行日程が決まった時点ですぐに予約するのが、依然として最も効果的な節約方法です。
元旅行社員の視点: ANAとJALでは同じ「3タイプ」でも中身の考え方が少し違います。ANAは「柔軟性の高さ」で3段階、JALは「予約時期の早さ」も加味した3段階になっているため、自分の旅程パターン(早めに決まる旅行か/直前まで分からない旅行か)によって、どちらの航空会社の運賃体系が合っているかも変わってきます。
LCC(格安航空会社)を検討する
Peach、Jetstar、ジップエア、スプリング・ジャパンなどのLCCは、大手より運賃そのものが安く設定されていることが多いです。
ただし、手荷物の預け入れ・座席指定・機内サービスなどが基本運賃に含まれず、オプション料金として別途加算される「アンバンドル方式」を採用しているため、表示価格だけでなく「合計金額」で比較することが何より重要です。
具体的には、以下の項目をチェックしてから最終的な金額を比較しましょう。
- 受託手荷物の料金(何kgまで無料か、超過時の追加料金)
- 座席指定料金(前方・非常口席など座席位置による差)
- 機内持ち込み手荷物のサイズ・重量制限
- 予約変更・キャンセル時の手数料
- 空港までのアクセス(発着空港が主要空港と異なる場合の交通費)
元旅行社員の視点: LCCは「基本運賃+オプション」の合計で、結果的に大手航空会社の割引運賃とほぼ同額になることもあります。荷物が少なく身軽に移動できる方、時間に融通が利く方には特におすすめですが、荷物が多いファミリー旅行などでは、かえって大手の方が安くなるケースもあるため、必ず総額で比較してください。
価格比較サイト・アプリを2〜3個併用する
1つの比較サイトだけで判断せず、複数を横断してチェックするのが基本です。
サイトによって提携している旅行会社やキャンペーンが異なるため、同じ便でも表示価格に差が出ることがあります。
現場での基本の動き方は以下の通りです。
- スカイスキャナーなど横断検索サイトで、路線全体の相場感をまず把握する
- ANA・JAL公式サイトで、運賃タイプ別の実際の価格をチェックする
- Trip.com・じゃらんなどのOTA(オンライン旅行代理店)でセール価格やクーポンの有無を確認する
- LCC各社の公式サイトで、手荷物・座席指定込みの実質価格を計算する
比較サイトを使う際は、単純な価格の安さだけでなく、次のような点も必ず確認してください。
- キャンセル・変更ルールが航空会社公式と異なる場合があること
- 決済手数料やシステム利用料が別途かかる場合があること
- マイル積算対象外の運賃が含まれている場合があること
チェックポイント: 比較サイト経由の予約は、座席変更・払い戻しのルールが公式サイトと異なるケースが多いため、規約は予約前に必ず確認しましょう。
特に急な予定変更が想定される場合は、多少高くても公式サイトでの直接予約の方が結果的に安心・お得なこともあります。
セール・タイムセールのタイミングを狙う
航空会社は月に1回、「タイムセール」といった期間限定の割引運賃を販売します。
ANAの新運賃体系にも「セール」という区分が用意されており、通常の「シンプル」よりもさらに安い価格で販売されることがあります。
会員登録・メルマガ登録をしておくと、こうしたセール情報をいち早くキャッチできます。
セールは告知から数時間〜数日で終了・完売してしまうことも多いため、「候補日程を複数持っておく」「通知をオンにしておく」など、事前準備をしておくと取りこぼしを防げます。
マイル・ポイントを賢く貯めて使う
ANAマイレージクラブやJALマイレージバンクを活用すれば、特典航空券として実質無料〜格安で搭乗できます。飛行機に乗ってマイルを貯める「空マイラー」だけでなく、クレジットカードの利用でマイルを貯める「陸マイラー」の考え方も、国内旅行を安く楽しむうえで非常に有効です。
マイルを効率よく貯める方法としては、以下のようなものがあります。
- 搭乗のたびにマイルを積算する(運賃タイプによって積算率が異なる点に注意)
- 提携クレジットカードでの日常決済をマイルに集約する
- 提携ポイントサイト・ショッピングモール経由でマイルを貯める
- 家族カードやマイル移行サービスを活用して効率よく貯める
元旅行社員の視点: 特典航空券は、お盆・年末年始などの繁忙期ほど必要マイル数が増えたり、そもそも空席がなかったりする傾向があります。
閑散期の旅行と組み合わせることで、少ないマイルでも特典航空券に交換しやすくなるため、旅行時期に余裕がある方には特におすすめの節約方法です。
曜日・時間帯で運賃を選ぶ
一般的に、火曜・水曜・木曜など平日出発の便は、金曜や日曜など週末をまたぐ便より安くなる傾向があります。また、需要が低い早朝便・深夜便は、日中の便に比べて割安な運賃が設定されていることが多いです。
具体的な傾向としては、次のようなパターンが見られます。
- 出発:火曜・水曜が比較的安い / 帰着:木曜が比較的安い
- 週末(金・土・日)や連休初日・最終日は需要が集中し価格が上がりやすい
- 早朝一番便・最終便は需要が低く運賃が安い傾向
予約時のコツ: 航空会社サイトの「カレンダー表示」機能や「運賃カレンダー」を使うと、前後数日〜1ヶ月程度の運賃を一覧で比較できます。
旅行日程に多少の融通が利く方は、この機能で「最安の曜日」を探してから予約するだけでも、数千円単位で節約できることがあります。
往復ではなく「片道×2」で買う
必ずしも「往復割引」が最安とは限りません。航空会社やLCCによっては、行きと帰りをそれぞれ別の航空会社・別の運賃タイプ・別のセール適用便で組み合わせたほうが、往復セットの運賃より安くなるケースがあります。
例えば、以下のような組み合わせが考えられます。
- 行きはANAの「シンプル」、帰りはJALの「スペシャルセイバー」
- 行きは大手航空会社、帰りはLCCのセール便
- 行きは早朝便(割安)、帰りは通常便
注意点: 片道ずつ別々に購入すると、天候不良などによる欠航・遅延時の振替対応が別扱いになる場合があります。特に乗り継ぎ便がある旅程や、当日中に必ず戻る必要がある出張などでは、リスクとコストのバランスを見て慎重に検討しましょう。
各種割引運賃(学生・シニア・障がい者など)を確認する
年齢や条件に応じた割引運賃も見逃せません。対象になる方であれば、通常運賃や上位の運賃タイプよりも安く購入できることがあります。
- 学生割引運賃(学生専用ダイヤル・学生専用サイトなど)
- シニア割引(65歳以上向けの「株主優待割引」に近い運賃など)
- 障がい者割引(障がい者手帳の提示が条件)
- 修学旅行・団体割引(一定人数以上のグループ向け)
これらは予約経路が公式サイトの通常検索とは別になっていることも多いため、「専用ページ」や「専用電話窓口」の有無を航空会社の公式サイトで確認してみてください。
クレジットカードの特典・キャンペーンを活用する
航空会社提携カードや旅行系クレジットカードには、「航空券購入で割引」「マイル積算率アップ」「空港ラウンジ無料」などの特典が付帯していることがあります。
年会費と特典のバランスを見て選ぶのがポイントです。
カード選びの際にチェックしたいポイントは以下の通りです。
- マイル還元率(通常のマイル積算に加えてカード利用分も貯まるか)
- 家族カードの有無・追加費用
- 空港ラウンジ・手荷物無料超過などの付帯特典
- 年会費と利用頻度のバランス(年間の航空券購入額に見合うか)
ダイナミックパッケージ(航空券+宿)にした方が安いこともある
これは元旅行会社員として一番伝えたいポイントですが、航空券単体より、宿とセットのパッケージツアーの方がトータルで安いケースが非常に多いです。特にJALパックやANAトラベラーズ、じゃらんパックなどは、航空券だけを「シンプル」や「スペシャルセイバー」で買うより、宿泊とセットにしたほうが数千円〜1万円以上お得になることも珍しくありません。
これは航空会社・宿泊施設側が、パッケージ商品向けに別枠の座席・部屋を用意していることが背景にあります。「航空券だけ必要」という思い込みを一度外して、1泊だけでもホテルを付けたパッケージ価格と比較する癖をつけましょう。
まとめ:運賃タイプを理解したうえで、複数の方法を組み合わせる
10個の方法を紹介しましたが、元旅行会社員として断言できるのは、
「運賃タイプの仕組み」を理解したうえで、複数の節約テクニックを組み合わせた人ほど、確実に安くなっているということです。
- まず自分の旅程に合った運賃タイプを選ぶ(詳しくは運賃タイプの記事へ)
- 予約開始日とセール時期をカレンダーでチェックする
- 比較サイトを複数使い、LCCとの合わせ技も検討する
- 片道ずつ・空港を変えて・パッケージも含めて比較する
この4つを習慣にするだけで、航空券代は大きく変わります。ぜひ次の旅行から実践してみてください。



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